独立リーグトライアウト出身のコラレスがNPB 楽天イーグルスと契約

12日、NPB東北楽天ゴールデンイーグルスは、BCリーグ富山サンダーバーズのジョシュ・コラレス投手(27)の獲得を発表した。

 

 コラレス投手は、SDSAが2014年にサンディエゴで開催した日本独立リーグトライアウトに参加。合同視察に訪れていた三菱日立パワーシステムズ横浜(MHPS横浜)からオファーを受け、2015年から日本球界でプレーしていた。社会人野球から独立リーグを経てNPB入りした外国人選手は史上初となる。


 「ジャパニーズドリーム」という言葉があるとすれば、それはコラレスの為の言葉だろう。カリフォルニア出身のコラレスは、NCAA Division 2のCSUドミンゲス・ヒルズ在籍時にシアトル・マリナーズからドラフト44巡目で指名を受け、プロ入り。マイナーリーグで5球団を渡り歩いた後、2014年にSDSA主催の日本独立リーグトライアウトに挑戦。実力を証明し、日本行きの切符を手にした。2015年は一年間、MHPS横浜でプレー。アメリカ人選手の社会人野球挑戦は、国内メディアからも注目を集めた。

 

 2016年からはBCリーグ・富山サンダーバーズに移籍。コラレスの実力を持ってすれば、母国に帰り、慣れ親しんだアメリカの地で独立リーグの所属チームを見つけることも、容易な選択肢だったはずだ。それでも、コラレスは掴んだチャンスを逃さなかった。

 

 若い選手が夢を追いかけ、また、夢を諦める場所とも呼ばれる独立リーグ。コラレスは昨季26試合に登板、64回79奪三振、防御率3.23と結果を残し、2017年シーズンも富山との契約を手にしていた。今季はここまで8試合に登板し、6勝1敗、リーグトップの防御率1.06という数字を叩き出し、夢の「ビッグ・リーグ」行きを決めた。

 なお、SDSAが2016年に開催した独立リーグトライアウトで栃木ゴールデンブレーブスに入団したスコット・ホーキン投手は、今季はここまで7試合で防御率1.85の数字を残している。コラレスの「後輩」が、夢の切符を手にする日は来るだろうか。

 白球を追いかけ、25歳で海を渡った苦労人は、また次のステージへの切符を手にした。契約は今季終了まで、年俸は600万円(推定)、背番号は「93」。コラレスのジャパニーズドリームは、まだ始まったばかりだ。

 

コラレス投手 契約合意会見(東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルYouTubeチャンネルより)