成長を遂げる4部PDLと1部MLSの関連性

今回は、前回紹介した4部リーグPDLと1部MLSの関係性について、みなさんに紹介します。

 

 4部PDLが創立したのは1995年でした。当初27チームでスタートしたこのPDLも、2年目には34チームに増え、4年目の1999年には早くも42チームまで拡大していきました。さらに、その後の10年間で約30弱のチームが加わり、2009年の景気後退でいくつかのチームは撤退したものの、現在では64ものチームが在籍するほどまでに成長しています。

米国最大級のスポーツ選手育成施設IMG Academy
米国最大級のスポーツ選手育成施設IMG Academy

 このPDLには、あの錦織圭選手やシャラポワ選手を育てた世界最大級のスポーツ選手養成施設「IMGアカデミー」までもが、チームを所有しています(1998年より16年間に渡りチームを所有し続けています)。

 

 この世界最大級のアスリート育成機関がPDLに注目をする最大の理由の一つが、その1部MLSへの選手輩出人数の多さです。毎年1月に開催されるMLSドラフト会議では、過去5年間で選出された232名の選手のうち、なんと162名の選手がPDL出身でした(2014年時点)。これは約70%の確立で、PDL出身選手がMLSドラフト会議で指名を受ける計算となります。リーグにとっても、チームにとっても、選手にとっても、PDLのブランド価値には目を引くものがあるのです。

 

 これは別の言い方をすれば、MLSが存在する限りPDLは必要とされ続ける、とも言えるでしょう。こうなると気になるのがMLSの価値や運営状況ですが、ここにもまた目を見張る事実があります。

 

2012年から3年連続で平均観客動員数が4万人を突破しているSeattle Sounders FC
2012年から3年連続で平均観客動員数が4万人を突破しているSeattle Sounders FC

 現在、MLSで最も価値のあるクラブとされているのが、Seatlle Sounders FCです。2009年にリーグに加入したばかりの若いチームは、2009年当初30億円で購入されました。しかし2014年現在、なんとそのクラブ価値は175億円にまで値上がりしています。わずか5年間で483%も値打ちが上がるという急成長を成し遂げているのです。

 

 これはSeatlle Sounders FCだけに限らず、他のクラブでも同じことです。2番目に価値の高いクラブとされているLA Galaxyは170億円(1996年時は5億円)、3番目のPortland Timbersは141億円(2011年時は35億円)、4番目のHouston Dynamoは120億円(1996年時は5億円)と、2014年時点でクラブ価値が100億円を上回っているクラブの数はなんと8つにものぼり、その多くのクラブでクラブ価値が購入時を越えているのです(2012年にリーグに加入した最も若いクラブのMontorial Impactでさえ、たった2年で40億円が96億円にまで成長しています)。

 

 4部PDLは1部MLSに良い人材を輩出し、それを受ける1部MLSは成長を遂げていきます。そしてこのMLSの成長がある限りPDLは必要とされ続け、また新たな人材を輩出することに力を注ぐのです。こうしていくことで、お互いの信頼関係は厚く太いものへと形成され、1部と4部という表面上の距離以上に近い存在として有り続けるのです。主役を引き立てる脇役はなかなか目立ちにくいですが、重要なカギを握っているのはたいてい脇役の方なのです。

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