
12月7日(金)、アメリカの大学へサッカー進学を目指す高校生を対象としたサッカーのショーケースが、カリフォルニア州ロサンゼルス郡ポモナ市で開催されました。このショーケースは、アメリカのサッカー情報サイトTop Drawer Soccer によって企画・運営され、毎年全米各地で開催されています。
今年はこれまで、アトランタやシカゴ、シアトルやニューイングランドなど多方面に渡って8回開催されており、大学サッカー進学を目指す高校生と、有望選手発掘を目指す大学コーチ陣双方のニーズに適ったイベントとして支持を得ています。

今回のロサンゼルスショーケースは、山々に囲まれた静かなエリアであるポモナ市内のサッカーフィールド4面を完備する施設「Veteran’s Park」で開催されました。当日は、高校1年生から3年生までの男女約140人の選手と12名の大学コーチが参加し、約一日サッカーに励みました。
本ショーケースでは、選手たちはまず15名弱のチームに振り分けられ、チームごとにトレーニングを行いました。それぞれのチームには大学コーチが一名ずつ付きトレーニングを指揮します。トレーニング内容はコーチによって異なり、パスの質やドリブルの質、さらに動きの質など、それぞれのコーチが重点を置くポイントにはその大学の色が現れており、今後を見据えた選手達にとっては進路先を決める重要な要素となります。入学前にコーチとの相性を図ることが出来る点はとても効果的です。午前中は簡単なトレーニングを行った後、ミニコートでのシュートゲームを行い、終了となります。



約1時間のお昼休憩をはさんだ後は、午後は11対11の試合を行いました。ここでもチームの指揮を執るのは大学コーチであり、選手は伸び伸びとプレーしながらも、コーチからの貴重な指示を受ける事ができます。ショーケースやトライアウトでよく目立つのが個人プレーです。進路の掛かっている選手達が実力のアピール方法に選択してしまいがちなのが個人技で、ショーケースやトライアウトでも個人プレーが目立つことが多くあります。

サッカー1試合90分間において、選手一人がボールに触れる時間は約3分間のみと言われており、なんとかその3分間でアピールしなければと思うのも無理はありません。そうなってしまうと、いくらショーケースと言えど試合にならなくなってしまいます。それを修正してあげる立場としてコーチの存在があります。
ショーケースにおいて、大学コーチが選手を指揮するというのは、選手側だけでなく運営側へのメリットにもなっていました。各チーム約30×3本ほど試合を行い、ショーケースの全日程が終了となりました。
今回参加した選手の所属クラブを見ても、LA Galaxy やSeattle Sounders などのMLSの下部組織や、FC Barcelona やArsenal FCなどの世界の強豪クラブの下部組織などがありましたが、客観的に見ても日本人選手でも引けを取らず、対等以上にプレーできるレベルであると感じました。今後、多くの日本人選手が挑戦しに来る事を期待します。