名門サッカークラブが世界に設置する育成組織の存在意義

FCバルセロナの育成組織、通称”カンテラ”は、トップチームと共に世界一として知られている Photo: FCBarcelona Official Website
FCバルセロナの育成組織、通称”カンテラ”は、トップチームと共に世界一として知られている Photo: FCBarcelona Official Website

 今日、世界のトップリーグで名をはせる名門サッカークラブの多くは、自国に限らず、その下部組織を世界に設置しています。スペインの名門クラブ「FCバルセロナ」はシンガポールやドバイ、日本など、イギリスの名門クラブ「チェルシーFC」は、イタリアやトルコ、中国、香港、インドネシアなど。そのほかにも、イギリスの「アーセナルFC」や、イタリアの「ユベントスFC」なども、海外に下部組織チームを設置しています。今回は、そんな世界に設置された育成組織の存在意義に迫ります。

発展途上にあるアジア諸国は、名門クラブが狙う有力マーケットの一つ
発展途上にあるアジア諸国は、名門クラブが狙う有力マーケットの一つ

 こういった世界を代表する名門クラブが世界に下部組織を設置する目的は、大きく分けて2つにあります。一つ目は、将来性のある若者を発掘することです。世界中にタレント性のある選手が存在する今日、長期的な展望を見据えるクラブのスカウト陣は、早い段階から世界のタレントを手中に収めようとします。自分たちの下部組織チームで世界のトッププレーヤーを育成する事で、クリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシといった高額プレーヤーたちの獲得に必要となる莫大な選手獲得費用を削減する事ができます。


今や世界を代表するプレーヤーへと成長したリオネル・メッシやアンドレア・イニエスタは、バルセロナの育成組織が生んだ代表的な成功例。その市場価値は、リオネル・メッシが393億円(2015年時点)、アンドレア・イニエスタが75億円(2012年時点)にものぼる。

 もう一つの目的には、世界規模でファンの数を増やすことが挙げられます。これは、試合に足を運ぶファンの数の増加には直接繋がらずとも、オンラインでのグッズ販売による収入や、海外放映権による収入には大きく関係します。例えば、日本でバルセロナを応援するファンが多ければ多いほど、バルセロナは日本市場での放映権交渉が行いやすくなります。放映権による収入は、チケット販売収入やスポンサー収入と並んで、クラブの大きな収入源であります。クラブが下部組織を世界に設置することによる利益は、我々が想像する以上であります。

FCバルセロナの熱狂的なファンは国内に留まらない Photo: FC Barcelona Official Website
FCバルセロナの熱狂的なファンは国内に留まらない Photo: FC Barcelona Official Website

 ここサンディエゴにも、イギリスの名門クラブ「アーセナルFC」が下部組織を設置しています。下記の写真は、先日サンディエゴ内のカールスバッド市にあるブエナ・エスタ小学校で行われた、アーセナルFCサンディエゴチームの試合の様子です。ここサンディエゴも、世界の名門クラブが考える、世界の有力マーケットの一つとして認識されています。


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