先月1日、米国1部メジャーリーグサッカーのリーグ加盟金は今や200億円にまで高騰しているとの発表があった。つい昨年の2015年にリーグに加盟したニューヨーク・シティFCがリーグ加盟時に支払った加盟金は100億円。わずか1年でなぜ倍にまで膨れ上がったのだろうか。MLSのプレジデントであるマーク・アボット氏が口を開いた。
「近年、MLSへの加盟に興味を抱く組織はとても多い。様々な都市でMLS設立に向けた活動は進んでおり、これまで多くのオーナーグループと会議を重ねてきた。どこの団体もオフィシャルに発表できる段階にまでは至っていないが、MLSの需要が信じられないほど高まってきているのは事実としてある。」(MLSプレジデント マーク・アボット氏)

2014年、経営破綻を理由にMLSからの脱却を余儀なくされたチーバスUSAがあるが、その際には、MLSがチーバスUSAのフランチャイズを75億円で買い取っている。フロリダ州マイアミでは、往年のスターであるデビット・ベッカム氏が近未来のMLSクラブ設立を目指し日々奮闘しているが、彼がリーグに納めた加盟金はたったの25億円。日本人として初のドラフト1位指名を受けた遠藤翼選手が加入したチームとして話題をよんだトロントFCが2007年のリーグ加盟時に支払った金額は10億円。これらの金額を考慮すれば、200億円という数字はあまりにも急な高騰のように思えるが、一部関係者の話によると、裏では巨額の放映権料動いているとの話もある。それもあってか、MLSには揺るがない自信があり、それを証明するかの如く需要は高まる一方だ。
MLSの次の候補地として名前があがっている都市には、デトロイト、サクラメント、サンディエゴ、セント・ルイスなどがある。MLSがどこの都市のどこのオーナー組織のプランに興味を示しているのかは定かではないが、いずれも、200億円という加盟金を知っての意欲と思われる。今日では、2007年にMLS参入を果たしたシアトル・サンダーズFCのチーム価値が285億円ともされ、30億円で購入したクラブはその価値を10年弱で約10倍にまで伸ばした。J1リーグの加盟金が6,000万円と言われる現在、世界経済の中心にある米国のサッカーに対する熱は勢いを増すばかりで、サッカー界でも世界に衝撃を与える存在となるに違いない。